イタリアでミケランジェロの大作を観たのは24才の春でした。
まだ若かったので、2つの最高傑作の意味合いが全く理解できませんでした。
ピエタはキリストの亡骸を膝の上に乗せて、深い悲しみに沈む
聖母の姿を表現した大作です。
ダビデは巨人兵士ゴリアテとの戦いに挑む
羊飼いダビデの決意を力強く表現した大作です。
どちらも大変美しく、文句なしの芸術作品なのですが、
女性性と男性性の見事なまでの対比だということに気づいたのは最近です。
両者とも、これから戦いに挑む勇者の姿です。
聖母は眼前で無惨な死を遂げたキリストの復活を信じ切る3日間の戦いの前の姿です。
ダビデは3メートル近い巨人ゴリアテ相手に剣や武具を着けずに戦いを挑む前の姿。
美しさは、嵐の前の静けさです。
どちらも神への信仰のみが頼りの戦いに挑む前の姿なので
信じられないほど美しく、多くの人の心を打ちます。
“Give life like a mother. Take life like a father.”
– Jim Rohn
故ジム・ローンの言葉を思い出しました。
今の日本に必要なのは信じる力だと思います。
復活を信じる力。 そして、巨人相手に命を守り通すと信じる力です。
女性には女性の戦いがあり、男性には男性の戦いがある。
30年近く経った今、全ての出会いには意味があったと思えます。
ピンクの薔薇を見ると、マリア様を思います。