北斎の風に立つライオン

九州国立博物館の4階で、思わぬモノを目にしました。

北斎の風中獅子図。 坂本五郎コレクションの中の一枚です。

北斎の風中獅子図 1月13日

今風に言えば、江戸時代に描かれた風に立つライオン

それにしても関東平野の空っ風に吹かれて寒そうです。

北斎の風中獅子図

爽やかな声のさだまさしさんが歌う風に立つライオンは、アフリカの草原や岩場を吹く風に向かって立つライオンをイメージしますが、この獅子は逆。 関東平野に吹く、冷たい空っ風を背にしています。

お腹から体温を奪われないように小さくなって、その上で風に吹き飛ばされないように爪を立てて踏ん張っている姿が涙ぐましいほど。

正月十三日。

この年の冬は寒かったんでしょう。

八十八歳の老体には堪えたはずです。

この獅子は北斎の化身だと思いました。

この一枚を見るだけでも北斎八十八歳の筆を欲しがった坂本五郎氏の気持ちが、何となく伝わってきました。

4階の文化交流展示室の第1室、第9室,第10室,第11室で展示されている坂本コレクション。 受贈記念の特集展示は明日10月21日までです。

フラッシュを焚かないならば写真撮影ができるので、スマホがあれば幸せな一時が過ごせます。

 

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