太宰府天満宮の鳥と言えば鷽(うそ)です。
鷽替え神事でいただいた鷽さんは、かなり恐いお顔です。
鷽の像は宝物殿の前にも在りますし、西鉄太宰府駅前のポストの上にも鷽が乗っています。
石で出来た郵便ポストは珍しいと思います。
太宰府天満宮でリアルに見掛ける鳥は恐くありません。 心字池の亀さんに負けないぐらいのベストスポットで日向ぼっこをしているのは、鳩さんです。
太宰府天満宮は600本の梅があると言われる、「梅の名所」です。 どちらかと言えば、賑やかな梅園ですから「梅に鶯」という雰囲気ではありません。
2015年は、九州国立博物館開館10周年記念の特別展があっています。 シリーズの先鋒が「戦国大名」展でした。 世界情勢の雲行きが怪しくなっている時なので、中々行く気になれませんでした。 重い腰を上げたのは、最終日の10日前。
想定外の物を目にしました。
京都国立博物館所蔵の「梅に鴉図襖(うめにからすずふすま)」です。
名称にあるカラスは鳥から横棒1本引いた「烏」ではなくて、鳥の左横に牙が着いた鴉です。 6枚の襖に描かれた大きな梅と、雪の積もった梅の枝に止まった数羽の黒いカラス。「梅にカラス」は初めてでしたが、鴉という漢字も初めてでした。
カラスが何羽も止まるぐらいですから、かなり大きな梅の木です。 大牟田の普光寺にある臥龍梅のように、地を這うように横に伸びた、かなり枝振りの良い梅でしょうか。 もしかしたら、龍の化身かも知れません。
カラスは猛禽類ではありませんが、鋭い嘴をもっています。 「ガーガー」鳴くから「牙」という字を添えてあるという説を取るならば、カラスを可愛いと思う人が見ない限りは、かなり不気味な襖絵です。 牙を持った鳥だとしたら、恐ろしいばかり。 物言わぬ襖絵のカラスの説明をする人は、かなり雄弁かも知れません。
天神様のお膝元ですから。
沈黙は金。 雄弁は銀。
どなた様も、良い週末をおすごし下さい。