2016年の今だからこそ、書けることがあります。
2011年に始めたセレンディップはどこにあるは東日本大震災の後にワードプレスで始めたブログの一つでした。 未曾有の大災害でしたから、九州にもその影響は及びましたが、その前から異変は起こっていました。
九州新幹線の開通に先立って、三池トンネル工事の影響で、近隣の田畑の水路が断たれました。 我が家は2010年4月から隣組の世話役でした。 私も隣組の敷地内で行われる渇水対策の工事や道路工事の調整に時間と労力を割かれることになりました。 隣組の管理下にある道路の脇に水路を通す工事が済んでホッとしたのが2011年の3月です。 九州新幹線開業の直前でした。
近所に住む義理の伯母が難病で倒れてその前の年(2010年)から国立病院に入院していましたが、年が明けるまでお見舞いにも行けない状態でした。 老老介護で近所に住む伯父が倒れたのが2011年の2月です。 子どもの無い夫婦でしたから、可愛がってもらった恩もあって、伯父夫婦のお世話をするようになりました。
東日本大震災が起こった2011年3月は伯父夫婦の事で一杯一杯。 九州新幹線の全線開業祝いが流れた事ぐらいしか分かりませんでした。 この日本に、とんでも無い事が起こった事に気づいたのは5月になってからでした。
メディアが本当の事を報道しませんでしたから、ネットで検索したり本を読んだりして調べました。 地球規模で人口削減が行われている事は知りませんでした。 国連がその計画を出したのが1990年代だと言うことも知りませんでした。 戦争のようなハード・キルではなくて、災害や病気のようなソフト・キルの形をとって人口削減を行っている事を初めて知りました。
心も体も疲弊した日々でしたが、日本の中にもまだ何か良いモノや綺麗なモノが残っていると思いました。 そんな思いで、serendip2011.comを始めました。
あれから5年。 伯父夫婦は他界しました。
義理の伯母は小脳が縮む難病で3年前に他界しました。 米国ではアルツハイマーの患者の脳を解剖したら、アルミニウムの粉が検出されたと言うことですが、脳の萎縮とアルミニウムには相関関係があるようです。 ですが、大気中に撒かれているアルミニウムの微粒子とアルツハイマー患者の増加との因果関係は証明されていません。 証明される頃は手遅れでしょう。
伯父は今年の2月に他界しました。 一昨年の9月に全身黄疸で緊急入院をしましたが、その時に胆管癌だと分かりました。 ステント交換のために入退院を繰り返しましたが、病院の先生やスタッフ方にも、訪問看護師さんにも、家事と身の回りのお世話をして下さるヘルパーさんにも恵まれました。
この地球に人として生まれた以上、死は免れません。 死に至るプロセスそのものが人生ですから、限られた時間を大切にしたいと思うようになりました。
秋風に吹かれて、2016年9月にセレンディップはどこにあるはfukuoka-youchant.comの傘下に移しました。
Fukuoka, You chant.
チャントはリズムに乗せた言葉です。 そして人々の生活にはリズム感があります。 故郷に戻って田舎暮らしを始めてからは、たまに出かける福岡のリズムを感じながら写真を撮ったり、文章を書いたりしてきました。
2016年は私にとってチャントを統合する年です。
大乗仏教の読経はリズムや節回しがありますから、チャントです。
南無阿弥陀仏はとても短いチャントです。
英語にも射祈(しゃとう)と呼ばれる短い祈りがありますが、Lord, save us. に近いと思います。
英語の祈りにもリズムがあります。 リズムを使った英語教授法もあります。 20代の後半から英語のチャントに興味を持つようになりましたが、それよりも前に我が家の仏壇には日本語のチャントがありました。 南無阿弥陀仏は日本の末世のために予め用意されていたチャントかも知れません。
この秋、我が家の玄関床にはトンボと桔梗が揃いました。 お軸は茶禅一味です。
赤い葡萄酒の代わりに緑の抹茶を使いますが、日本の茶道はカトリックのミサの型どりだと言われています。 利久が洗礼名であることも、大半の茶人には響かないと思います。 密教のように秘されたことが多いのですが、茶道も禅と同じように深い文化だと思います。
意味など分からずとも、サラリとやってのけるのが日本人なのかも知れません。
「言葉で説明しろ。」
と迫られても、言葉には限界があります。
色即是空。
serendip2011.comが閉鎖された後、fukuoka-youchantのセレンディップはどこにあるに移した記事内の写真は大半が見えなくなります。
空即是色。
ご了承下さい。
9/16/2016 YT