九州国立博物館4階の三日月

太宰府三昧の土曜日です。

土曜日は「夜の博物館」が楽しめる日だったので、特別展も常設展もたっぷりと時間をかけて鑑賞することができました。

九博を後にしたのは午後6時過ぎだったので、三日月が出ていました。

飛行機と三日月

目視できるのですが、iPhone8Plusのカメラではなかなかフォーカスできません。

それでも気にならなかったのは、4階の常設展の坂本五郎コレクションはフラッシュを焚かないならば写真撮影が許されていたから。

なんと空の見えぬ4階で風流なお月見ができました。

茶道具の展示の中に風炉があったのです。

坂本五郎コレクションの唐銅砥草図眉風鑪

唐銅砥草図眉風鑪(からかねとくさずまゆふろ)という昭和な私でも読めない漢字の代物で、 江戸時代17世紀の大西浄清作。

かなりしゃがむと砥草の向こうに三日月が見えます。

坂本五郎コレクションでお月見

唐銅なのに砥草の緑が見える!

何とも不思議な感覚がありました。

実のところ、上から目線では見えない風景があります。

この風炉の砥草を観た瞬間、太宰府天満宮表参道にあるスターバックスを思い出しました。 オープンの日は小雨でしたが、入店して写真を撮っています。 隈研吾さんデザインのモダンな町屋作りの店舗で、入り口には砥草が植えてあったのです。 コンクリートの打ちっぱなしの壁でしたから、砥草が印象に残りました。

帰宅してから80歳の母にこの風炉の写真を見せました。

穴の空くほど観た後で、「10月の茶碗は砥草よ。」と一言。

砥草の向こうに三日月を観た男の視点はどこにあったのか、何を思ってこんな風炉を作ったのか、非日常的な疑問に時を忘れてあれこれ思いを馳せてみるのも楽しい秋の夜長です。

このところ火星が綺麗にハッキリ見えます。

唐銅色の赤星です。

余談ですが、私の普段使いはATOK Mac 2017です。 ATOK PassportやmacOSのライブ変換などのクラウド変換は使っていませんが、からかねを唐銅と変換してくれました。 辞書を引いて出てくるのは唐金ですから、唐銅をからかねと私が読めなかっただけです。

今夜はここまで。

 

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