先週の土曜日は九州国立博物館の4階で坂本五郎コレクションを見てきました。 受贈記念で常設展の4室もあって、しかもフラッシュを焚かなければ写真撮影OK.
最初は色鍋島をさらっと見る予定だったのですが、金工が展示されている部屋に足を踏み入れて、予定が大幅に狂ってしまいました。
彼が生涯をかけて集めた釜は、国内最大規模のコレクションだそうです。 日本ではUFOの事を釜というのだそうですが、ヒヒイロガネでなくても、飛べなくても、生涯を掛けて釜を集めた人がいたなんて!
茶の心得も無い私が惚れ惚れとしたのが、梅竹の図真形釜(うめたけのずしんなりがま)です。
釜の名前を見ると、梅竹です。 松竹梅ではありません。
釜を見ても松は描かれていません。
松は何処だ?
ここで母の言葉を思い出しました。
80歳の母は若い頃に茶道を学んでいて、「釜の湯が沸く音は松風と言う。」と言っていました。 帰宅してから釜の写真を見せて尋ねてみたら、釜の底に笛がついていて、湧かすとシュンシュンと松風の音がするようになっているんだとか。 笛が壊れると音がしなくなるそうです。
そんな話を聴いてから釜の写真を見返してみると、坂本五郎氏がこの釜を欲しがって理由も分かるような気がするのです。
鳴って良し
鳴らぬとも良し
飛ばぬ釜
下等生命体9番で何が悪い。
たとえ宇宙の刑務所だとしても、我らが地球万歳!
人間って不思議な生き物だと思った夜でした。