母と一緒に柳川温泉に一泊旅行をしました。
彼女の強い希望でかんぽの宿です。
柳川は西鉄大牟田線で一本で行ける場所です。 便利ですが、あまりに近場。 白秋生家や御花(おはな)のある柳川は情緒のある水の都ではあるけれど、日田や由布院のような温泉町ではありません。
どうして?
不思議に思いながらも一緒に出掛けてみて、彼女が柳川温泉を強く望んだ理由が分かりました。
母は79歳です。
柳川のかんぽは安心して行ける馴染みの場所の一つです。 彼女にとって公の交通機関を乗り継いで楽に行き帰りが出来る場所でした。 駅のエレベーターの場所が分かっていて、階段を上り下りしなくて済む場所です。
柳川のかんぽは日帰りでも行ける場所ですが、今回は一泊するので、エツ料理のコースがいただけるプランをヤフートラベルから選びました。 畳の間ではなく、ツインベッドの洋間です。 予約を入れて初めて分かりましたが、るるぶを通した予約でした。
チェックインは3時から。 3時のチェックインを入れましたが、その前に着きました。 早速フロントに向かいましたが、3時までお部屋の準備はできないという返事でした。
1階の売店にハーゲンダッツの抹茶がありました。 お風呂上がりに食べたいと思いましたが、何と売店は午後5時で閉まります。 部屋の冷蔵庫には冷凍室がないので、買った後はフロントに預けるしかないという話を聞いて、思わず引きました。
かんぽの宿は部屋にはお風呂がありません。 1階か5階のいずれかを選んで入る事になります。 チェックイン前も入浴できるようでしたが、そんな気にはなれません。 ハーゲンダッツを食べながら、チェックインの時間までロビーでしばし寛ぐことにしました。
かんぽの宿は御花(おはな)の裏手です。 ロビーから裏庭に出ると、観光客を乗せたドンコ舟がお堀を通って行くのが見えます。
楽しそうに手を叩きながら歌っている中国人観光客一団を乗せたどんこ舟が通って行きました。
何と幸せそうな事か。
そう思ってしまったのは、次のどんこ舟が日本人観光客を乗せた乗合船だったからです。 まるでお通夜のような静けさでした。
こちらの水路は静かな水面。 仕事を終えたどんこ舟が通るようでした。
こんもりした木々の向こう側が御花ですが、観光名所の裏手は賑やかなどんこ舟が通らない限り、静かな空間でした。
3時にチェックイン受付の館内放送があるまで、しばし非日常の時間と空間に浸った午後でした。