九州国立博物館4階の橘

先週の土曜日は5ヶ月ぶりに太宰府まで足を延ばして、ゆっくり一日を過ごししました。

2018年10月13日の太宰府天満宮表参道

いつものように太宰府天満宮に参拝してから九州国立博物館の特別展へ向かったのですが、心にひっかかったのが本殿左の皇后の梅の横にあった橘。

新しく奉献された橘の看板と白い幹に少しショックを受けた後で、九州国立博物館に向かいました。

宝物殿の右横を通った時に、搬出入口のデザインが橘ではないかという事に気づきました。

太宰府天満宮宝物殿の白い橘

Flower of Lifeの一部なのかも知れませんが、あんなに大きな白い橘があったのに、それまで見過ごしていたのです。

さて、当日のお目当ては特別展のオークラコレクションと1時半からの講演会でした。 パンと珈琲持参です。 特別展をゆっくり観て、お昼は九博の外のテーブル席でピクニックと洒落込みました。

九博の外のテーブルでピクニック気分のランチ

午後1時半からの講演会も2時間しっかり聴いて、午後4時前には目的を達成。 持参した珈琲でホッと一息つきました。

さて、どうするか?

土曜日は夜の博物館で九博は午後8時まで開いています。

毎週土日は夜の博物館

エントランスホールには大きな垂れ幕が掛かっていますから、常設展の坂本五郎コレクションも観たくなりました。

九博のエントランスホールに下げてある常設展のお知らせ

北斎と鍋島、そして

そして何だろう?

今回は元氣を出して4階まで上がってみようと言う気になりましたが、特別展のオークラコレクションで観た七夕という六曲一双の屏風に描かれていた江戸時代の色絵松竹梅梅文瓶子が展示されているという事だったので、ついでにちょっと観ておこうぐらいの気持でした。

ところが、たっぷり4室もある坂本五郎コレクションは幸か不幸か全作品写真撮影OK。

写真撮影OKの坂本五郎コレクション

しかも近くにいた係の女性に尋ねたら、ちゃんと調べてくれて「ブログにアップしても良い。」との許可が出ている事が分かりました。

欲張りな私です。 見事な茶釜の数々に心奪われて一頻り撮った後で、4室とも回って写真撮影をしたのです。

最後に辿り着いた一室にあったのが、お目当ての色絵松竹梅梅文瓶子でした。

七夕に描かれた色絵松竹梅文瓶子

描かれている瓶子(へいし)は2本。

展示されていたのも2本。

何故か最初に惹かれたのは左の方でした。

金継ぎされた色絵松竹梅文瓶子

光っています。

金継ぎされた色絵松竹梅文瓶子

あれ? 金継ぎかな?

後ろに回って見たら、やっぱり金継ぎ。

金継ぎされた色絵松竹梅文瓶子

ここでようやく、表は松竹梅で裏は橘と菊だと気がつきました。

金継ぎの無い右側の瓶子は重要文化財です。

重要文化財の色絵松竹梅文瓶子

七夕に描かれていた色絵松竹梅文瓶子です。

重要文化財の色絵松竹梅文瓶子

 

説明書きを読んで納得しました。

2つの色絵松竹梅文瓶子についての説明書き

最初に坂本五郎が入手したのは金継ぎがあたっていない瓶子です。 もう1本を探して、金継ぎの当たっている瓶子も手に入れたのです。

これが金持ちのコレクションだと思います。

重要文化財の色絵松竹梅文瓶子に描かれている菊と橘

 

骨董品を買うお金の無い私は博物館でしかお目にかかれませんが、今回は目出度く九州国立博物館の4階で橘に出会うことができました。

よくよく観たら鶴と亀も描かれていました。

金継ぎされた重要文化財では無い方の色絵松竹梅文瓶子が一緒に展示してなかったら、気づかなかったと思います。

坂本コレクションで展示されていた一対の色絵松竹梅文瓶子

 

たっぷり2時間かけてコレクションを堪能しましたが、

「やっぱり色絵松竹梅文瓶子は二つとも欲しかっただろうなぁ。」

と思いました。

今回はオークラコレクション坂本五郎コレクションを鑑賞しましたが、何となく男の執念が分かったような気になった夜の九博でした。

 

 

 

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